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海外における製造業DX取組事例を一挙紹介

地球儀と飛行機

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IoTが広まり、日本国内においても製造業におけるDXが広まりつつあります。一方、海外に目を向けてみると、最先端技術を活用した製造ラインや品質管理、在庫出荷管理など、多くの領域でデジタル化が進められています。今回は日本ではなく、海外に目を向け、どのような製造業DXが取り組まれているのかをご紹介いたします。

インダストリー4.0

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製造業においてはインダストリー4.0(第4次産業革命)を目指し、AI技術やビッグデータ、IoTなどの最先端技術を活用して製造プロセスをデータで可視化、プロセスとプロセスを自動でつなぎ合わせるなどの取り組みが盛んに進められています。また昨今のコロナ禍の影響によりインダストリー4.0が加速されています。日本にある製造業の多くは古くから工場を持ち、小型から重機まで幅広く製造しており、伝統文化として継承もされています。

一方その伝統が足かせとなり、日本の製造業のDXは世界と比べて遅れているとも言われています。
そんななか、このインダストリー4.0がドイツで発表され、日本も含めて世界から大注目を集めました。
これは今までにない新しい製造現場を構想しており、最先端技術とネットワークにより、今までには考えられなかったようなことが実現されてきています。

スマートファクトリー化

ドイツ政府が提唱したインダストリー4.0(第4次産業革命)の取り組みコンセプトは「スマートファクトリー」です。これは発表されてから10年以上が経過していますが、今でも取り組みが推進されています。なぜドイツでこのような考え方が提唱されたのか、それは競争相手の生産性にありました。製造業の中枢である自動車産業については、日本や欧米にそれぞれ代表する企業があります。日本ではトヨタが有名です。トヨタでは、「トヨタ生産方式」を考案して生産性を飛躍的に向上させてきました。

またアメリカでは「リーン生産方式」を取り入れて取り組んでいました。一方、ドイツは自動車産業が盛んであったものの、日本やアメリカのような生産方式がなく、各国に先を越されているという危機感からドイツのインダストリー4.0(第4次産業革命)が構想されました。このインダストリー4.0の成果として求めているのは「工場のつながる化」です。

これは現在様々な業界や分野で使われているAIやIoTの最先端技術を最大限に活用し、新しい産業へと転身することが課題です。
そのような状況のなかでスマートファクトリーは新しい価値を創り出す工場です。
最先端の技術を活用することで今まで収集できなかった、見えていなかったデータを可視化・取得し、分析、活用することで生産性の向上と効率化の実現、また使用エネルギーの省力化、最適化を可能にします。

海外における製造業DX事例

工場内における品質検査の自動化

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ドイツの自動車メーカーであるアウディ(フォルクスワーゲングループ)では、ディープラーニングをベースとして、自社で開発したシステムを製品の品質検査に導入しています。数百万枚のテスト画像を用いて、品質検査のAIをトレーニングし、板金の小さな亀裂を検出可能にしました。これにより、プレス工場での品質検査業務は最先端技術を活用することにより、人の業務からAIへと代替することが可能になりました。

同社ではスマート化を推進するためのAI開発や導入などをすすめており、すべての品質検査における業務を人の目視確認から、AIを活用した新オペレーションへと代替することを目指しています。またプレス工場だけではなく、組み立てや塗装などを行う工場への横展開も進められているようです。

デジタルツインを実現したスマートファクトリー化

ベルギーに拠点を置くグラスファイバー製造業者3B社では、デジタルとリアルを融合するデジタルツインを実践しています。DELMAIA(Dassault System社)を導入し、製造ラインなどをリアルタイムに把握することが可能になりました。これは高度なモニタリングやスケジュール管理も兼ね備えているため、将来的な資材や人員の調整も可能にし、生産現場へ革新的なインパクトを与えました。

また、3B社グローバルに展開している企業であり、多様なリソースを最大限に活かし、顧客の細かい要望への対応を可能にしています。

マスカスタマイゼーション

近年、注目されている事例の一つとして、「マスカスタマイゼーション」です。マスカスタマイゼーションはマスプロダクション(大量生産)とカスタマイゼーション(個別設計・生産)を掛け合わせた考え方です。少ないコストかつ短期間での納品を特徴とする大量生産と個々のお客様ニーズをくみ取り、最適なシーズを提供するための設計・生産の双方の特徴を持ち合わせています。 ロボットを活用して標準化を行い、コストを抑えたうえで特注品の製造を行います。これにより、ユーザー自身がカスタマイズした商品・製品を標準の製品と同等レベルを提供することが可能となりました。

この考え方を取り入れた代表的な企業はドイツBMW社です。「MINI Yours Customized(ミニユアーズカスタマイズ)」の提供を開始しました。 本サービスはお客様がウェブアプリケーションの「カスタマイザー」というツールを用いてインテリアなどの内装ドレスアップアイテムやそのカラー、パターンなども独自にデザインすることが可能です。独自にデザインするにもかかわらず、オーダーしてから手元に届くまではわずか5週間と驚きの早さです。顧客のオリジナルなデザイン製品を提供しながらも、パーツなどは純正と同等のため、品質や安全性、機能性などは全く問題なく、規格に準拠したものになっています。

Predixの活用による設備点検を効率化し、モノ売りからコト売りへ

米国でも大企業として名を轟かせているGE社が開発したクラウドソフトウェアPredixを活用したことにより、飛行中エンジンの状況を地上でモニタリングができるようになり、トラブルの発生箇所やメンテナンス箇所を目的地に着陸前に知らせることができるようになりました。また、GE社では、このPredixにより、すべての飛行から得られるデータを蓄積するセンサーを搭載したエンジンを開発することができたが、このデータを活用する知見はありませんでした。

そこでGE社はエンジンに無数のセンサーを取り付け、クラウドでデータを収集できる仕組みを検討し、エンジンの回転数や出力、燃焼状態から、エンジン部品の状態などを、Predixを用いてリアルタイムにモニタリングすることが可能になりました。結果、GE社は航空機のエンジンメーカーでありながら、エンジンを作って売る、というビジネスモデルを大きく変えました。航空会社には、エンジンの購入代金を支払ってもらうのではなく、GE社のエンジンで実際に飛んだ飛行機が「飛んだ分の料金」を支払う従量課金の仕組みへと変化しました。GE社は現在、エンジンを活用することによる、燃料消費の少ない最適な飛行ルートの算出や、リアルタイムモニタリングによる迅速なメンテナンスが可能になるなどの付加価値も提供しています。

製造業DXが目指す姿

今回は海外の事例を見てきました。冒頭、日本の製造現場では伝統文化が継承されていることを挙げさせていただきましたが、伝統を引き継ぐ者が少なくなってきたとニュース等で取り上げられています。しかし、現在の最先端技術を活用すれば、職人の技を3D動画にすることで後世に引き継ぐことができます。

製造業でのDXはまだまだ余地がたくさん残っており、今後も成長し続けていくと思われます。

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